ぐるんぐるん

おもむくままに書いてます。

おおかみこどもを見てきました。

見てきた。>映画「おおかみこどもの雨と雪」
感動が収まらないうちにつらつら書く。
出来るだけ、ネタバレしないように。

ドキドキとのんびり

同監督の作品に、「時をかける少女」と「映画「サマーウォーズ」公式サイト」がある。
両方の作品には、バトルやらといったアクション性が少なからず存在した。
これによって、手に汗握るような「ドキドキ感」があって、
やっぱり見る人を映画の世界に入り込ませるのだと思う。
おおかみこどもでは、バトルやタイムリープのようなものはなく、
家族3人の日常をきれいに描いている。
その日常が、時には笑い、時にはさびしく。
のんびりとした気持ちで見ることができる。
けれども、そこにあるのはのんびりだけではない。

「家族」の違い

同監督の作品サマーウォーズと同じ、テーマは「家族」(多分)。
向こうが「繋がり」を描いたとするならば、
こちらは「成長」といったところでしょうか。
上でも書いたように、サマーウォーズのような賑やかさはなく、
健気な仲のいい家族の姿を描いている。

親子の成長

おおかみこどもの2人(匹?)はもちろん、
母親の花がいろんな形で成長していく。
生きるためだったり、子供のためだったり。
子供の成長に合わせて親が成長して、
もしかしたら母親の成長に合わせて子供が成長したのかも。

様々な出来事

子供たちは、「おおかみ」と「人間」の間の子。
もちろん、「人間の普通」が通らない部分が多い。
「おおかみならこういうことがあるんだろうな」というところを、
面白おかしく、けどきちんと正面から向き合って描いてた。
親子が体験した「いろいろなこと」のほとんどは、
どちらかというと悲しいこと。
けれども、それらの出来事を糧に親子は成長した。

母親の願いと結果

母親の花は、「子供が無事に、元気に育つ」ことを願った。
これは、INTERVIEW『おおかみこどもの雨と雪』の細田守監督: 「アニメがもつ記号性を、一度解体する必要があった」 « WIRED.jpに書いてある、

子どもふたりはファンタジックな存在だが、母親は普通の人間。
彼女は子どもたちに「無事に」「元気に」育ってほしいと願う。
「無事に育つ」イコール「秘密がバレない」ということ。

それに対して子供たちは、いろいろなことを通して、
それぞれの思うがままに生きた。
その結果があんなふうになったんだと思う。

新しい描き方

思っていたことは、
富野由悠季:「おおかみこどもの雨と雪」を異例の大絶賛 - MANTANWEB(まんたんウェブ)にきれいにまとめられている。

 本作は、変身物でもなければ、恋愛物でもないし、エコやら環境問題をあげつらったメッセージ物でもない。まして癒やし系でもない。

 それら過去のジャンル分けなどを飛び越えた物語になっている。描写が冷静だからだろう。文芸大作と言っても良い。それほどリアルに命の連鎖を描き、子供の成長の問題を取りあげている。そこに至った意味は刮目(かつもく)すべきなのだ。

重いものを持たせずに、描いたらこうなりました。的な感じ。
だからこそ、こんなすごいものができたんだと思う。

対象

単身の方をはじめ、子供を持つ親、はたまた子供まで、
いろんな立場でいろんな見方ができる映画かなと。
自分は、一番最初の見方でしたが。
家族っていいな。とほっこり思ってました。

色々書いたけど

映画を見た感想の一言目は、「いつもの細田監督じゃない。*1」でした。
アクションというか、脈動感が多作より少なかった。
けどその分、繊細に丁寧に「何かを描いてる」と感じた。
それがすごく面白くて、それにすごく感動した。
成長した雨と雪はどうなるのか、はたまたそれを遠くで見守る花はどうなったのか。
いろいろ知りたいけど、それは個々で想像するのはいいのかも。
…と、意味不明な感想になったところでおわりっ。

*1:5,6作しか知らない